コラム

創作の基本は真似ぶ(まねぶ)こと

自らを作曲家と名乗って早3年、徐々に創作における哲学が溜まってきたのでシェアしたいと思います。

よく子どもたちから「先生が作った曲って〇〇のパクリじゃんか〜」って言われます。要は似ていると言いたいんでしょうけど、残念ながら、僕の曲はどれも何かの真似をしています。

これは何だったか忘れましたけど、ブラームスの曲とか、旋法の曲を聞いていいなって思って作ったような気がします。

これは「7つの子」を想定して作っています。歌詞が「カラス〜なぜなくの〜」で、曲の大部分がペンタトニックなので、この曲でも採用しています。

これも5曲くらいボカロの曲を真似して作ったような気がします。Bメロはブラームスの交響曲第四番の第一楽章のテーマを真似しています。

これはリゲティの「ルクス・エテルナ」という曲を真似した曲です。声でどんどん広がっていく、というテーマを僕がよく使う音の並びで再現しました。

上の4曲は曲調は違えど、全て何かしらの曲を真似て作っています。ただ、1曲から100%真似てしまうとパクリとか「元の曲はこれだ〜」とか言われてしまうので、3曲から30%ずつ真似て自分らしさを10%くらい入れるようにしています。

だってよく考えてみると、作曲なんて7音(もしくは12音)を縦とか横に並べて、リズムは4分音符を元にすれば半分とか3分割にしたりして、ピアノとか歌とかで演奏するために作るんですからね。

昔の人が使っていた要素を僕たちも借りて曲を作っているわけです。どこかでは似たような曲になることもあるでしょう。

知らないジャンルとかアーティストの曲ってどれも同じに聞こえませんか? ロックとかテクノとかいう言葉が最近よく聴こえてきますが、それ以上の区別ができない人だからそう言うしかないんですよね。

コアな方は、ハードロックとかプログレッシブロックとか、それ以外のロックに分類されるジャンルの違いも分かっていると思います。

結局、マクロな視点から見れば「大体の曲は同じようなものだ」と考えることもできるわけです。

ただ、その真似をしてしまう危険性がありながらも、作曲を繰り返して自分なりの表現を組み立てていく必要があります。守破離っていう言葉は聞いたことはありますか?

まずは師の教えを「守」る、そして師の教えを「破」って、師の教えから「離」れて自分なりのやり方を確立する。これが大切です。

だから型破りな表現ができるわけで、「守」がなければ単なる型無しでしかありません。

それなら、作曲をしたいと思っている人はどうしたらいいか。

簡単です、真似をすればいいんです。ただ楽譜を書き写したり、聴き取った音を楽器で弾いてみたり歌ってみたり、DAWに打ち込んだりするだけでいいんです。

それを繰り返していくうちに、自分の中にストックが溜まっていって知らぬ間に自分の曲としてまとまっているんです。最初から独自性の高い曲なんて作れませんから、まずは真似ぶことを意識しましょう

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