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制作にかかる費用がどのくらいになるかまとめてみた

こんにちは、吉田(@yoshitaku_p)です。

長らく作曲家として発信していると、色々な方から「作曲お願いしたいんだけどいい?」って言われるようになります。

それだけなら嬉しい話なんですが、人によっては「友達価格で」「ボランティアで頼むよ~」と言ってくるということもあります。個人的には、こういう発言はクリエイターを軽く見ているから出る発言だと思っています。

そこで今回は、制作にあたってどのくらいの費用が必要かを細かく説明したいと思います。

大前提:無料では作れない

納品するのは基本的にデータなので、飲食店と違ってコストがかからないと思っている人もいるのかもしれませんが、少なくとも制作する時間はかかっているので無償では作ることができません。

僕が前々から関心のあることに対して曲を作ったり、僕のやりたいことだけを反映させられるなら、それは「趣味の範囲にある」と考えて無償で行いますが、依頼者側の都合を反映させる場合は「仕事」ととらえて有償でお受けしています。

作業工程

おおよその時間を各項目の横に書いておきました。この他にチャットでのやり取りや細々した作業もあります。ちなみに現在の東京都の最低賃金は1,013円です。

ヒアリング(1hくらい)

お問い合わせがあってから、日時を調整してzoomなどでヒアリングをします。どういう曲を作りたいのか、どういう人に聞いてほしいのか、その曲を演奏するか、などを聞いていきます。

その中でおおよその値段を決めていきます。基本的な制作料は3万円で、次に書いた項目によって若干変動があります。

曲の長さ:短い(-1) まあまあ(±0) 長い(+2)
 楽器数:少ない(-1) まあまあ(+1) 多い(+2)
 丁寧さ:まあまあ(±0) 細かい(+2)

使用用途

個人的な動画をアップロードするため、CDを作って売るため、自社製品の広告宣伝のため、などの用途を確認します。営利目的の場合は値段を高く設定しています。契約段階での用途を聞いているので、納品後に変更がある場合は追加で料金をお支払い頂いています。

スケジュール

複雑な曲でなければ、1曲あたり2週間ほどで制作が終わります。お急ぎで作る場合、制作費の30%を上乗せしてお支払い頂いています。

複数案の制作

依頼者側が複数人いる場合やイメージをより細かく固めたいという場合、制作序盤に作るサンプルを作り進めて複数案用意する場合があります。その場合も追加で料金をお支払い頂いています。

特殊楽器・音色の使用

例えば「野蛮な感じの曲を作って」というリクエストの場合、そういう雰囲気の音が無いと曲を作ることができません。そのために楽器を借りたり、ソフトを購入する必要がある場合は追加で料金をお支払い頂いています。ただし、ソフトはその後の依頼でも使えるので、上乗せするのはソフト代の5%くらいです。

外注費の発生

作業にあたって楽器や歌のレコーディングが含まれる場合は人件費・場所代・機材代がかかりますし、マスタリングをする場合にも人件費・機材代がかかります。

リサーチ(3~5hくらい)

曲を作るにあたって、依頼者のことを何も知らない状態では作業を進めていくことはできません。ネットにコンテンツがあればそれを隈なく見ますし、曲を聴く層(=ターゲット)が明確ならその人たちが好きな曲調も軽くリサーチします。

また、寄せてほしいアーティストがいたらその人たちの曲も聴き込みます。この作業は作り始めてから行っても仕方がないので、制作に入る前にまとめてしまいます。

サンプル作成(1hくらい)

制作はパソコンに向かってキーボードを弾くスタイルで始めます。

まずは適当にキーボードを弾いて、大まかな方向性を決めていきます。この段階ではピアノの音でのラフなサンプルをいくつか作ってお互いの考えをすり合わせていきます。

制作(10~30hくらい)

実際の制作に移ります。ここでレコーディング、打ち込み、細かな編集をします。普通に曲を作る場合はインスピレーションに頼りますが、依頼の場合は制作内容がはっきりしているのでオートマティックに作っています。

ミックス・マスタリング(すぐ終わるか外注)

僕だけでミックス以降の作業をする場合は制作と並行で進めるのですぐに終わります。もしCDを作ったり配信をする場合は、丁寧に処理をしてもらうので外注します。

納品

音源が完成したら納品して作業は終了です。何かミスを発見した場合は、納品後1ヶ月間は無償で修正します。また、作業データの保管は納品後1ヶ月は必ずしていますが、その後も基本的には残しています。

終わりに

上に書いたような手間がかかっているということを少しでも分かってもらえたら嬉しいです。

もし「依頼したいけど値段が分からなくて不安」ということであれば、お気軽にご連絡してもらえたらと思います。メール(piyotaku3@gmail.com)でもいいですが、TwitterでDMを送ってもらっても大丈夫です。