皆さんはこのCMソングを聞いたことはありますか?
テレビではよく聞く城本クリニックのCMです。地元福島でもよく放送されていましたが、この女優さんはなぜ転がってるのかいまだに分かりません。
この城本クリニックのCMソングなのですが、普通に聞いていると何拍子なのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
地元では2回連続でCMが放送されるときもあったと思うのですが、意識して2回目を聞いても拍子が分からずに終わってしまいます。
そこで今回は、城本クリニックのCMソングがどういう構造になっているのかを考えてみたいと思います。
分析
メロディーの音の並びは次のとおりです。歌詞は書いていませんが、読み上げるとぴったりはまると思います。
メロディー・コード進行・キー・リズム
最初がドラソと2回動いていますが、この動きは音程が取りにくいので、普通は避けられる音の使い方です。逆に言うと、あまり聞かないので耳に残りやすいという効果もあると思います。
コード進行はC-C/G-F-C-G-F-Cとなっていて、ダイアトニックコードどころか主要の3コードしか使っていません。非常に簡単な進行ですが、これもあまり見ない音の並びです。
曲のキーはCメジャーですが、1段目の終わりの部分はフレーズの終わりの音がドの音になっていないので落ち着いた感じがありません。四分休符の前もミなので終わった感じがしません。
リズムについては四分音符か八分音符の繰り返しで、特に複雑なことはしていません。
比較的トリッキーな要素が使われていますが、強烈に耳に残る、CMソングとしては素晴らしい作りになっているのを見ると、十分に音楽のことを分かっている人が作ったんだろうと考えられます。
拍子について
拍子については、オケも参考にして考えると次のようになると思われます。
こうして見ると、歌い出しの部分がアウフタクト(弱起)になっていて、そこからは3拍子が続き、休符のある小節が縮められて2拍子になっていたことが分かります。
ただ、楽譜通り単純に聞こえないのは、歌い出しの「ゼロ」の部分が小節の頭の音のように聞こえ、次の「ニー」の音で音が上がるのがアクセントに聞こえてしまうからかもしれません。
何より「ゼロイチニーゼロ」という言葉はこれで一つのまとまりとして聞こえると思うので、4拍子らしさが勝手に出てしまうのでしょう。
また、2拍子の部分はCMの時間的な都合で縮められているのかもしれませんが、次の「城」の部分を巻き込んで3拍子が続いているようにも聞こえます。
冒頭でアウフタクトになっているのを考えると、3拍子が続くと考える方が曲の構造としては妥当に思えるので難しいですね。
オケの低音やトライアングルの音を聞くと納得感はあるのですが、テレビで流れる時はあまり聞こえてこないので、これらの偶然が重なって拍子が分かりにくくなっているのでしょう。
おわりに
私は上の楽譜のとおり、1+3+3+3+2+3と分析しましたが、ネットでは4+3+3+2+5と部分的にまとめて書いている人もいました。
確かに歌詞の切れ目を考えると、この聞き方も自然かもしれません。
また、5拍子にまとめられる部分(城本クリニック)は、歌詞に沿って2+3と分析することも考えられます。
分析した上で聞いても耳がつられてしまうのに自然に歌えるのは、民謡のような拍子が目まぐるしく変わる曲に慣れているからなのでしょうか。
ご意見・ご感想などがありましたら、ぜひコメントでお知らせください。
「こんな内容を扱ってほしい!」というリクエストがありましたら、こちらのフォームから入力していただけたら、ふとした時にまとめるかもしれません。