クラシック

AIと演奏

先日、AIと作曲というタイトルの記事を書きましたが、中で紹介している「Daddy’s Car」なんかは人が作ったものと区別がつかないかもしれません。

その点、演奏においてはまだまだカラオケみたいな自動演奏しかないから…と思ってはいけません。

AIが絡んでくると、演奏することはどのように変化していくのでしょうか?

この動画は2016年に東京芸大で行われた人工知能とベルリンフィルによる演奏会の動画です。

ヤマハの人工知能システムを使って、リヒテルというピアニストの演奏を再現しています。ちなみに、リヒテルはすでに亡くなっています。

シューベルトのピアノ五重奏曲を演奏しているのですが、ピアノの席には誰も座っていません。

AIが自動演奏ピアノを操作して、お互いのタイミングを合わせているようです。自動演奏ピアノっていうのはこんなやつです。

小さいときに郡山のヤマハでこれを見たときには「なんで誰も弾いてないのに鍵盤が動いてるんだろう…」って思っていました。

自動演奏を取り入れる場合は、普通はカラオケのように人が自動演奏に合わせます。

単に合わせようとするだけだと大幅にずれてしまうんです。動画の中にも「AI合奏システムがないと、こうなります…」という部分がありましたよね。

よく大きなライブなんかでは、クリック(≒メトロノーム)の音を聴いて合わせている場面もあります。

もしくは自動演奏のタイミングやテンポを操作する人(≒マニピュレーター)がいないとぴったり演奏を合わせることができません。

しかし今回のシステムは、自動演奏が人に合わせてしまうんです。

AIに楽譜のデータを覚えさせて、今どの部分を弾いているか考えさせて、周りの演奏家をカメラで見させて、リヒテルの弾き方で鍵盤を演奏させて、というシステムのようです。

実は僕はこの演奏会を生で見たんですが、正直人間と機械の区別はつきませんでした。

ピアノの前には誰も座っていないのにピアノの音が聴こえる、という不思議な演奏会で、演奏が終わった時の拍手も「何とか演奏が終わってよかった!」という雰囲気だった気がします。

この演奏会が3年前のものですから、今はさらに進化しているのかもしれません。

もし詳細が気になる方は、ホームページも合わせて見てみてくださいね。

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