私は大学で現代音楽というジャンルの音楽を勉強していました。よく「複雑で訳の分からない音楽」と言われてしまうこのジャンルですが、それは新しさを追求してきたためにそう思われているのだと思います。
僕も新しい響きを追求して楽曲制作に活かそうと思っているのですが、最近はメシアンの「前奏曲集」に関心を寄せています。
上の動画では楽譜も表示されているので、手元に鍵盤がある方は和音だけでも弾いてみると面白いと思います。
個人的には、メシアンの曲はステンドグラスの破片のような透明感のある鋭い響きの和音が多いように感じます。
作曲家のオリヴィエ・メシアンはフランスの作曲家ですが、教育者としても有名です。ブーレーズ、シュトックハウゼン、クセナキスなど、今となっては大変に有名な作曲家が彼から作曲を教えられています。
彼の作品は響きが複雑なものが多く、調性では把握しきれない曲が多いです。ですがどことなく長短調の世界が垣間見え、馴染みやすいような雰囲気があるのも魅力の1つです。
彼の技法については自身でまとめた「音楽源の技法」にまとまっています。移高の限られた旋法、添加リズムなど、これまで考えることが無かった(であろう)技法で目白押しです。
「前奏曲集」は彼が21歳ごろの作品で、ドビュッシーのような音符が見られたり、曲の構成も比較的簡単なものが多いです。
例えば1曲目は増4度で動いた後に高音でのきらびやかな和音が続きます。和音には複雑に臨時記号が書かれていて調性感はありません。
ですが曲の構成としては似たような部分が繰り返されて、長さもさほど長くありません。メシアンの曲の特徴を掴むためには最適な曲だと思います。
もしメシアンについて詳しく知りたい場合はフランス語での理論書(7冊セット)があるので、調べてみてください。
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