コラム

BGMをどのように制作しているかをお話しします

これまで1曲2万円前後でBGM依頼を受け付けていましたが、初めて依頼をする方には少し厳しい額だと言われたことがありました。

そこで、2025年からは思い切って3,000~5,000円(税抜)で依頼を受け付けられるように環境を整えています。

このメニューで制作したBGMは当工房のホームページでも配布する予定です。依頼者のみが独占的に使えるようにするのではなく、全体で共有して利便性を高められたらと考えています。

今回は最近リリースした2曲を元に、どのように制作を進めているか、どんな依頼をしてもらえると制作がスムーズに進むかをまとめてみたいと思います。

チル系のBGM

落ち着いた雰囲気のBGMだと汎用性が高くなりそうなので、「チル BGM」で検索して参考曲を見つけるところから始めました。

このジャンルはどの曲も展開が控えめで、テンポもそれほど早くない印象です。どの曲も雰囲気が似ているので細かく参考音源を設定してもらう必要はありません。

まずはエレクトリックピアノのパートから作ってみることにしました。このパートは曲全体を通して繰り返されるので、主張する感じではなく背景に溶け込むようにしようと考えました。

今回は音が下がっていく進行(マイナーキーのVI-V-IV-I)にしましたが、少し気だるい雰囲気というか、クールな感じになったと思います。

ベースラインはエレクトリックピアノの左手と全く同じ音にして、ドラムはよくあるパターンを一旦入力してみます。

シンセサイザーは音域が高くて目立つので、エレクトリックピアノやベースとぶつからないような、かつあまり主張しない控えめなパターンを考えます。

あまりにも同じパターンが続くと飽きてしまうので、途中からピアノの高音を加えてメリハリをつけています。最後にテープに録音したような効果をつけて完成です。

完成した音源はライブ配信の待機BGMにも使えそうだったので、別バージョンとして30分ほど繰り返した音源を作っても良いのかもしれません。

ロシア系のハードベース

一昔前にヴィエという曲が流行っていたのはご存知でしょうか。

ビジュアルの奇抜さは一目瞭然ですが、音楽的にもベースの音色が奇抜なのでそれを使った曲を作ってみようと考えました。

検索するとこういう曲は「ロシアンハードベース」というジャンルのようで、似たようなロシア語の曲がたくさん出てきます。

どの曲にもタイトなキックとベース、鋭いシンセサイザー、男性の声素材が入っている印象です。

まずはシンセベースの音を用意して、キックと交互になるように音を置いていきました。そのせいか前にせかせかと進んでいくような曲調です。

フレーズの最後の部分や次のセクションに入るときはドラムが抜けることが多いので、参考音源に沿って音を置いていきます。

しばらくするとシンセサイザーのメロディーが現れますが、とても音が太いので複数のシンセサイザーを重ねて作っています。オクターブ上、オクターブ下の音を重ねると目立たせずに音を太くできる気がします。

また、参考にしようと聞いていたどの曲にも声が入っていたので、やむ無く手元にある素材を使っています。他にも効果音を軽めに入れて、それらしさを演出していきます。

こういう曲は構成する音自体は少ないのでサンプルはすぐ送れるのですが、それらしさを出すのにかなり手間がかかる印象です。

パターンを真似して入力するのは得意なんですが、迫力を出すのがかなり大変です。

まとめ

制作したBGMを聞くことはあっても、制作の過程がどうなっているかはあまり知られていない部分だったと思います。

今回は2曲とも似たような流れで楽曲を作りましたが、楽器やジャンルによってかなりやり方が変わるので、依頼をご検討中の方はお気軽にご相談していただけたらと思います。

リクエストを募集します

「こんな内容を扱ってほしい!」というリクエストがありましたら、こちらのフォームから入力していただけたら、ふとした時にまとめるかもしれません。